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「マニフェスト型公開討論会」
松本で前哨戦

峯正一氏 44 無新 村井仁氏 69 無新 田中康夫氏 50 無現


「描く長野県の将来像」

 峯正一氏 心の温かい信州、豊かさの実現。自立しうる自主財源をつくることがまず大切。世代間を超えた対話ができる地域づくりを目指す。真の豊かさが心に届く長野県を。県と民間が一体となって、即座に行動できる県政に。

 村井仁氏 住民にとって最も身近な基礎的自治体、市町村が自立し、個性を発揮できる長野県を目指す。県と市町村の2重構造は本当に必要なのか。市町村に強力な権限と財源を持たせられるよう県職員とともに手伝いたい。

 田中康夫氏 未来に誇れる美しい信州、安心して暮らせる信州を目指す。脱ダム宣言の理念は税金を公明正大に使うこと。幸せを共有できる社会を目指し福祉、医療、教育の充実を。ピラミッド型でないフラットな社会の信州に。


「マニフェストの最優先重点施策を3つ」

 村井氏 田中知事の車座集会やどこでも知事室は素晴らしい手法だった。しかし時間が経つと各市町村から「知事に認めてもらえるか不安」という声を聞くようになった。本質的には知事が強い権限を行使し、県庁が市町村を縛るという現実は変わっていない。市町村、地域、住民主体の県政にしていかなければならない。

 田中氏 「未来の子どもに借金を先送りしない」「地域でできることは地域の企業、人々で行う」「世代を超えた全ての人々に優しい確かな行政にすること」の3つ。923億円の借金を減らし、それが30人学級など福祉の充実につながった。ピラミッド型でも村井氏の逆ピラミッド型でもないフラットな社会をつくる。

 峯氏 必要のないものは見直して減じる手法は続け、チェックしながらチャレンジする。積極的に新しい施策を生み出し財源を作り、仕事、雇用を生み出す。2点目は心の荒廃の根源になっているあいさつなど身近なところからの見直し。3点目は安心の老後、少子化問題を解決する信州オリジナルモデルをつくること。

「候補予定者同士の質問タイム」

 田中氏から村井氏に 市町村に十分な財源を確保すると言うが、3カ年で600億円も交付税・補助金が削減されるなかで、どのように財源を確保するのか。

 村井氏 補助金、交付金を活用せず仕事量を減らすという形ではなく、上手く活用することが大切。

 田中氏から村井氏に 市町村が元気になれば県はなくても良いということか。県がなくなったら県民は何をよりどころにするのか。

 村井氏 長野県はなくなってもいい。都道府県の枠組みは廃藩置県が行われた当時の交通手段を反映した仕組み。市町村こそ自治体の基本。道州制の議論もあるが、今の長野県がどこかで切れても構わないと思っている。大切なのはそれぞれの地域が独自の文化を育んでいる現実。道州制が進んでも光る地域をつくるべき。

 峯氏から田中氏へ 少子化対策の具体策は。

 田中氏 出産時の祝い金は一過性。本県独自の乳幼児医療費無料化や女性の就労促進策、子育てサロンなど。王道はないが、憂いなく仕事と家事ができるようにしたい。

 峯氏から村井氏へ 若者、女性の政治離れをどう食い止めるか。

 村井氏 年齢は気にしていない。自分の考えを率直に伝え、対話することで理解しあえると思っている。対話をしっかりやりたい。

 村井氏から田中氏へ 新党日本の党首の立場で私たちのために、県民のために何ができるのか。

 田中氏 いまだ中央と地方は対立の関係、上下の関係にある。小さな政党だが、そこにいるものが述べることが大切。現場・信州で変えていくことを中央で変えていこう、それが新党日本の目的だ。

「財政再建、どう進める」

 峯氏 歳出削減が進んでいるのは事実。1年に1度、4年に4回の見直しをしつつ、その方向は継続しなければならない。一方で積極的に財源をつくり、確保していく。水力、地熱発電などで生み出す自然エネルギーや、フォッサマグナ上に多いとされる希少金属を売り出すことなどが一例。新しい財源をつくり、借金を返済しながら、新しい市場マーケットを見据えて健全な財政をつくっていきたい。資本、アイデアを貸し付け、中小企業のやる気も創出する。

 村井氏 赤字に対して過度に心配し過ぎてはいないか。岡山県は19%の赤字比率でも、基準の20%を超えなければいいという発想で投資していると聞く。借金を減らすことは大切だが、そのために地域経済を縮小してはいけない。財政赤字をして作った資産を生かす発想が必要。財政赤字は一方で資産になっており、この地域の宝である。逆転の発想がいる。家計と地方の財政は違う。また、中小企業こそが国の、地域の力の源泉。サポートしなければならない。

 田中氏 91年、ニューヨーク市が財政破綻した時は救急車まで有料化され、職員1万人が解雇された。そして夕張市も同様の憂き目にあおうとしている。赤字が健全であるなら、国債の市場評価が低いはずがない。県民の国民の税金を預かる人間がこの状況に危機感を持たない状況は悲しいことだ。中小企業支援については、地元で歯をくいしばっている中小企業のみなさんに対して、商工部が営業マン役を務めるなど、苦しみを共有できる行政サービスを進めている。

「地方分権について」

 村井氏 地方分権を進める上で大切なのは、都道府県レベルではなく、市町村レベルでということ。住民に一番近い自治体、市町村にもっと自由闊達にやってもらえる地方自治が大切。都道府県は中間的な位置づけに過ぎず、もう時代遅れ。基礎自治体が自主的力を持って、自分で自分を決められるように。私は権力のない知事になりたいと言っているが、住民の身近なところで自治が行われる、そういう状態を作り上げたい。住んでいる人の目が届く地方自治体が大事。県はかなり大きい。基礎的自治体である市町村に全ての権限、財源を移されていくべき。

 田中氏 地方分権ではなく、地域主権という言葉を用いたい。地域主権を実現するには、政府が意識を変えなければならない。国が相変わらず努力せず、地域にしわ寄せが及んでいる。県は地方課を市町村課に改め、意識を変えた。市町村の方々が県の職員に意見が言える環境設定も心がけた。県がチェックするのではなく、一緒に手伝う形で。基本は集落。集落の中から出てくることを県職員が一緒になってやっている。市町村の中の集落こそがきちんと目が行き届き、新しいことを水平補完で一緒にやっていける枠組み。県が果たす役割はまだたくさんあると思う。

 峯氏 明治の廃藩置県から、いまだ都道府県の自治は成熟していないと思っている。道州制は時期尚早。多くの推進公社をつくり、職員の意欲に応じて出向してもらい、小さな政府をつくる。新しい仕事を創設しないで道州制に移行し、職員を減らすべきではない。県と民間が一体となって進めるための協議会や審議会をつくる。分権ではなく、日本に新しい47個の国が登場するくらいの自立した県を作らなければ。県と市町村は上下ではなく、県がOSなら市町村はソフトウェアの役割がある。81の市町村が起動するようオペレーションするのが県の役割だ。

「最後に県民への訴えを」

 峯氏 私たちにはつなげていくべき世代があり、子どもたちの未来に何を継承すべきか責任がある。県の多くの問題はどこから起因するのか。それは心の荒廃にある。地元に豊さはとどいていますか?戦後の自由主義は、自由を履き違え、ルールをないがしろにした。教育改革をした上で、新しいことにチャレンジする、新しい経済をつくることをみなさんに提案したい。諏訪湖の浄化や松本空港の国際化など具体的な施策もすでに考えている。国が変わらねば、県自体が変わればいい。新しい公社をつくり、民間と協働する新しいスキームを考えている。信州・長野県はエネルギーの宝庫。意欲を持って取り組もう。

 村井氏 地方自治の基本はそこに住んでいる人たち。基礎自治体と言われる市町村こそが身近な、住民の思いが伝わる自治体だ。信州を一人の大名が治めたことは一度もない。いくつもの谷、盆地がそれぞれ独自のものを育んできた。日本経済は嵐に見舞われ、閉塞感がこの地域をも覆っている。かつて全国に新しい技術を発信した長野県も学力の低下が叫ばれるようになった。「何とかしてくれ」というのがこの地に生活する者の共通の思い。それぞれの地域が特色を出して光る、81の自治体が光輝く状態にする県政にしなければならない。それが県民に対するサービスマンたる知事とスタッフの務めだと思う。

 田中氏 全国知事会で私は、道州制とは異なる連邦制という形で一つのより強い自立性を持たすべきだと発言した。県は北関東ブロックに入るといわれているが、果たして木曽谷や伊那谷が北関東というイメージを持つだろうか。国の発想は交通、経済、地勢圏を考えない、47都道府県の順列組み合わせに過ぎない。仮に道州制、いくつかの連合が進んだ時、長野県が分裂しても良いのだろうか。集落から活力を持ち、願わくば一緒に信濃の国を歌えるよう、近隣の県と連合を形づくれるようにしなければならない。今度の選挙は、一人ひとりが自分を持ち、県民から信州という新しい連邦をつくる選挙だと思う。

 ※記載の順は討論会での発言順に基づいています。

製作・著作:南信州新聞社/南信州サイバーニュース