島崎藤村の小説「破戒」のモデルといわれる飯田市下殿岡出身の教育者、大江磯吉(1868−1902年)をめぐり、胸像を菩提寺の円通寺(同所)に建立する計画と、その生涯を題材に演劇を制作する取り組みが、時を同じくして、進んでいる。
胸像を建立する計画は、大江磯吉が1882(明治15)年創立の公立下伊那中学校(飯田高校の前身)の第1回卒業生であることが判明したことなどから、同窓生が中心となって胸像建立の会を発足させ、進めてきた。10月7日に除幕式を行なう予定だ。
一方、96年に発足した市民演劇集団「演劇塾」は、泰阜村出身の夭折の歌人、金田千鶴の生涯を演劇化し、好評だったことに力を得て、郷土の先達に光を当てる第2弾として、「大江磯吉の生涯−演劇宿版 破戒考」(仮称)を制作することになった。今月23日に実行委員会を発足させ、来年12月の公演を目指す。
たまたま二つの活動が同時進行になった形だが、どちらも大江磯吉に改めて光を当てるのが目的だ。その動きにかかわりの深い人たちに、今なぜ大江磯吉か、の思いを聞き、大江磯吉を顕彰する一助にしたい。
この連載は平澤秀明と矢澤兵庫が担当しました
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