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飢餓深刻、凍死の恐れも
NGO基金 中平理事長に聞く
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9月の日朝首脳会談から、拉致、核開発などの問題を通じて、北朝鮮人民共和国の情勢を伝える報道が相次いでいる。今月初旬には、NGO(民間活動団体)「北朝鮮難民救援基金」(中平健吉理事長・東京都文京区)の加藤博事務局長が中国当局に拘束された後、強制退去処分となる問題が発生。日本と北朝鮮を巡る問題は、両国家間にとどまらない国際的な課題となっている。本紙は、同基金の理事長を務める飯田市竜丘駄科出身の弁護士、中平健吉さん(77)=東京都目黒区=から、東京竜丘会の郷土訪問で来飯を機に、北朝鮮情勢について話を聞いた。
―拉致問題をどうみるか
中平 実に難しい問題。解消するかに見えていたが、両国の交渉に行き詰まりを感じる。足踏み状態の現状を心配している。
弁護士として3つの拉致事件を扱ったこともあるが、(拉致問題は)一方で、日本政府の怠慢さが招いた事件であると言える。なぜ、的確な沿岸警備を行わなかったのか、無防備の状態にしておいたのか。(政府に対して)今後は誠実な対応をするよう強く求めている。
―難民基金は具体的にどのような取り組みをしているのか
中平 5年前から食糧や衣料などの救援物資を輸送している。政府に直接送るのではなく、中国に逃れた脱北者や中国人の協力を得て2つの独自ルートを確保しており、毎月5万トンの米が直接国民に渡るようになっている。衣類に関しては春と冬に500着ずつ輸送している。
―食糧、衣料品以外にも支援していることはあるのか
中平 現地は栄養不足から結核が流行している。患者が現地で受けた診断のカルテを受け取り、病状に応じて処方した新薬を送ることもある。これにより数人が回復したとの報告も受けている。盲腸の患者については、入院費用などを支援している。
―北朝鮮は飢餓が深刻化していると聞くが
中平 報道どおり食糧不足、電力不足は深刻。また、北朝鮮の用途調査拒否により食糧支援を打ち切る方向に動くNGOもあり、今後はさらに厳しくなると予想される。電力、飢餓両面から、この冬は大量の餓死者、凍死者が出る恐れもある。
―加藤事務局長が拘束される問題も発生したが、中国人や脱北者を通じた支援方法に危険はないのか
中平 加藤事務局長の拘束から分かるように、かつてはゆるやかだった中国政府の対応が、ここへ来て厳しくなった。脱北者は北朝鮮に送り返されると国家反逆罪として重刑に処されると聞くが、脱北者は政治難民であり、保護することが諸外国の責務。中国政府に対して理解と協力を強く求める必要がある。
―具体的にどのような方法で理解を求めるのか
中平 来年、長野県に藤村益三元最高裁判所長官や元西ドイツ大統領のバイツゼッカー氏ら世界の賢人を招いて「国際法廷」を開く予定がある。これを通じて、世界共通の意思として中国政府に難民の人権を守るよう求めていきたい。
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中平健吉氏
1925年、飯田市竜丘駄科に生まれる。海軍から復員後の49年、東京大学法学部を卒業。51年に裁判官に任官し、72年、東京高等裁判所判事を最後に退官した。弁護士登録し、国際人権組織アムネスティ・インターナショナル日本支部に入会。98年に北朝鮮難民救援基金代表に就任した。
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