2003年2月9日 >>>戻る
農業シンポジウムいいだ
農村の豊かな暮らしテーマに
 地元で暮らす〜農村の豊かなくらし〜をテーマとした「農業シンポジウムいいだ2003」(飯田市農業振興センター主催)は7日午後、鼎文化センターホールで開いた。「わが地元学」と題して基調講演した地元学の提唱者で民俗研究家の結城登美雄さん(57)=仙台市在住=は、「身近な足元の知恵や経験を大事にしていくところからいい地域づくりが始まる。身近にあることの大切さを再認識して」と呼びかけた。

 結城さんは10年ほど前から、東北の600を超える農漁村の集落を歩いてきた。以前は30軒あった集落が5軒に減った過疎の集落で「なぜ、今尚そこに住み暮らしているのか」と考え、「寂しいところだけではない、もっと別の見方」に気づかされたという。

 講演の中で、結城さんは「地域とは何組かの家族の集まり。それが大きくなると村や町や市になる。地域づくりとは、家族の願いや課題をみんなで解決していくこと」と指摘。よりよい地域の条件として、@よい仕事の場Aよりよい居住環境Bよい文化Cよい学びの場Dよい友だちEよい自然・風土Fよい行政−の7つを挙げた。

 特によい文化について「人間は働くだけが人生ではない。みんなと一緒に楽しむことが文化」と述べ、農村での連句の会を例に挙げて説明した。また、よい学びについて「文部省の学びは、知るために学ぶが、使う(生かす)ために学ぶことが必要。それが生かす力、生きる力になる」と強調した。

 結城さんは「地域の傍観者でなく、小さな村の当事者になることが大切。 この国は経済のものさしが強過ぎる。すべてが金しだいでいいのか。安心、ゆとり、楽しみにつながる段取りや知恵を学びながら、より安定した楽しい国をつくるために、もう一つの価値観が必要。それは身近な地域の中に眠っている。もっと周りに耳を傾け、目線を落としていけばいろんなものがある。中世までの街路樹が飯田市のりんご並木のようなくだものだったように、次に来る人たち、次の時代を生きる人たちのことも考えて段取りをとって暮らすために、地元学を提唱している」と語った。

 この日は、下伊那農業高校の生徒約80人を含む200人が参加。基調講演に先立ち、昨年11月の第29回飯田市農業祭の農家表彰式典、飯田市農業・農村男女共同参画推進協議会のメンバーでつくる「やらまいか劇団」による寸劇のパフォーマンス、下伊那農業高校の女子生徒たちが「伝統ある市田柿を広めよう」と昨年取り組んだ干し柿の特徴と栄養価の研究、干し柿入り五目おこわの発表もあった。


農業シンポジウムいいだ(飯田)
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製作・著作:南信州新聞社