飯田市上郷黒田の高陵中学校(塩沢尚志校長、生徒数598人)で20日、「乙女文楽鑑賞会」が開かれた。遣い手、太夫、三味線のすべてを女性が担う「ひとみ座乙女文楽」の舞台に加え、地元に約300年にわたり伝わる「黒田人形」の座員も出演して花を添え、生徒たちは伝統芸能に関する知識、理解を深めた。
飯田文化会館が市内の4中学校、7小学校、8幼稚・保育園で開く恒例事業「人形劇巡回公演」の一環として、現代人形劇センター(川崎市)の共催で実現した。同校は、現在に伝えられる伝統芸能の素晴らしさを認識するとともに、舞台鑑賞を通じた情操教育の機会として、全校生徒を対象に総合的な学習の時間に位置付けた。
乙女文楽による「傾城阿波の鳴門 巡礼歌の段」の上演後、現代人形劇センター理事で飯田市出身の松沢文子さんの司会で人形の構造や操り方が紹介された。生徒たちは、文楽の三人遣いの操法を1人でまかなうために、遣い手の頭と人形のかしらをひもで、胴と腰部分、ひざと足を金具で固定する、まさに遣い手と人形が一体となった操り方を興味深く見入っていた。
続いて、地元の黒田人形座が乙女文楽が演じた「傾城〜」の終幕部分を披露したほか、沢柳座長が人形の歴史や操り方などを説明。太夫の竹本越若さんと三味線の鶴沢賀寿さんによる義太夫節のレクチャーの後、乙女文楽が「増補大江山酒呑童子 戻橋の段」を演じて幕を閉じた。
「地域をはじめ、国内に伝承されている素晴らしい伝統芸能とその価値を知るきっかけになれば」と教務主任の中島千明教諭。松沢さんは「同じ市内に住みながら、黒田人形を知ったのは大人になってから。自分の住む場所に残る古い歴史に子供の頃に触れるいい機会」と話していた。
「ひとみ座乙女文楽」は40年近く前、昭和初期に大阪で始まった「大阪乙女文楽」を継承しようと、テレビ人形劇「ひょっこりひょうたん島」などで知られる「ひとみ座」の一グループとして発足。桐竹智恵子大阪乙女文楽座長の指導の下、研鑚に励み現在に至る。飯田で毎年夏に開かれる「いいだ人形劇フェスタ」にも参加している。
前日の19日は竜峡中で実施。7月23日には飯田西中、24日は飯田東中がそれぞれ飯田市公民館ホールで開く。
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