県本人確認情報保護審議会(会長・不破泰信州大大学院教授)は19日、県庁で第9回会合を開き、住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の主な運用事務を委託する総務省の外郭団体「地方自治情報センター」を介さずに情報を送信する独自システム構築案など安全性を高める4段階の素案をまとめ、県に提示した。田中康夫知事の「離脱不可能」発言を前提に、安全策向上と市町村の軽減負担を狙った提言。セキュリティー向上の必要性を訴えていた知事は、前向きな姿勢を示している。
素案は@インターネットと接続している自治体に分離を求め、分離するまでは記憶媒体による情報のやり取りを促すA県内市町村を集約する県域住基網を構築し、県内市町村と国、他県との間にとりでとなる不正侵入検知防御装置を設けるB複数市町村で共同センターを設け、中小規模市町村のサーバー類を集中、管理するC地方自治情報センターを介さず運用できる県独自のシステムを構築し、国や他県へデータを送信する―の4段階からなる。
@段階では、他県からの不正アクセスの危険性は残るが自分たちが加害者になることはない。Aでは、並列的に並ぶ市町村のネットワークを県を頂点とするピラミッド型にするため、県が県内市町村のデータを一括して防御できるようになる。B段階では、複数市町村による共同センターを運用することにより、中小規模自治体の負担を軽減できる。
最終段階は、委託先の「地方自治情報センター」との関係を見直し、より安全な独自システムを構築する構想。事実上、国による情報の一元管理を不可能にし、県内の住民情報は県が管理、必要時に国、他県に提供する形となる。
会合の席上、ジャーナリストの桜井よし子委員は住基ネットのシステムについて「ピラミッド型ではなく並列体と分かったが、これは県が各市町村を守れないことを意味する。すべての自治体がただ1人で自ら守らなくてはならない、ということだ」と指摘。不破会長は「審議会、県、市町村が同じテーブルで議論しなければ」と訴えた。
独自システム構築となればコストが大きな課題となる。同席した田中知事は、素案について積極的に検討する意向を示し、費用対効果などのデータ収集を進める方針を述べた。
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