2004年9月22日 >>>戻る

同じナイフで3人を殺害
飯田署・被害者を犯人扱い

 高森町吉田の独り暮らしのパート従業員、木村あい子さん(74)を殺害し現金約6000円を盗んだとして、強盗殺人の疑いで逮捕・送検された本籍飯田市桜町、住所不定、無職、西本正二郎容疑者(27)が21日までの飯田署の特別捜査本部の調べに対し、「木村さん宅は先月にも空き巣に入ったが、金目のものがなかったため、在宅の時間帯を狙って(殺害した7日に)入った」などと供述していることがわかった。特捜本部は殺害する目的で侵入した可能性もあるとみてさらに追求している。

 西本容疑者は7日午後7時20分ごろ、木村さん方に侵入。玄関に応対に出た木村さんの胸を、持っていたナイフでいきなり刺し、現金約6000円入りの財布が入ったハンドバッグや預金通帳、印鑑などを奪って逃走した疑い。特捜本部の調べに対し、西本容疑者は「在宅ならば、(木村さんが)金目のものを持ち歩いていると思った」と話しているという。

 さらに、西本容疑者は「玄関の鍵を自分で閉めて逃げた。玄関の鍵は捨てた」などと供述していることも判明。特捜本部は、事件の発覚を遅らせるために計画的に捨てた可能性があるとみて追求している。

 これまでの調べで、木村さんの遺体が発見された当時、玄関や窓、勝手口などはすべて施錠されていた。西本容疑者が室内にあった鍵で玄関を施錠した後、逃走したとみられる。8月の同町出原、無職、加藤仁さん(69)殺害事件でも、遺体発見現場は密室状態だった。

 特捜本部は西本容疑者の供述に基づき、市内の山林を引き続き捜索、20日に殺害時に履いていたとみられる左足の靴を発見した。18日に右足が見つかった地点から約100メートル離れた場所。これまでの捜索で、周辺からは木村さん殺害に使ったナイフやハンドバッグ、右足の靴などが見つかっている。西本容疑者は「犯行直後、ナイフや靴は山林を車で移動しながら捨てた」と話している。

 木村さん殺害について、西本容疑者は木村さん宅から約600メートル離れた空き地に駐車、歩いて現場に向かっていたことも判明。夜間に犯行に及ぶ際、目撃を恐れて離れて駐車したとみて調べを進めている。



 4件の殺人を自供している西本容疑者が、愛知県のタクシー運転手殺害についても「(木村さんや加藤さんと)同じナイフを使った」と供述していることがわかった。特捜本部は4件のうち、ナイフが使ったとみられる3件の殺人を裏付ける有力な物証とみて調べている。

 凶器と見られるナイフは供述通り、飯田市大瀬木の山中で発見。同じナイフの使用を供述しているのは▽高森町吉田の木村あい子さん(74)▽同町出原の加藤仁さん(69)▽名古屋市天白区天白町の個人タクシー運転手、湊保雄さん(59)―が殺害された3事件。4月の島中実恵さんについてはロープのようなもので殺したなどと話している。

 西本容疑者は勤務していた土木会社の仕事がらみで名古屋方面に出かけることが多く、愛知県内に土地勘があったことも新たにわかった。2年前に退社後は消費者金融などから多額の借金をしており、昨年末から名古屋市方面などで事務所荒らしや空き巣などの窃盗を重ねていたらしい。



 飯田、高森の独居老人ら4人が殺された連続殺人事件で、このうち今年4月に殺害された飯田市大王路、無職、島中実恵さん(当時77)の長女、桜井好子さん(51)が「警察から犯人扱いされた」として、20日、桜井さん宅を訪れた飯田署の幹部に抗議した。訪れた担当幹部は捜査経緯などを説明、謝罪の言葉も述べたという。

 島中さんは約20年前に夫と死別してからは独り暮らしだった。隣の家に住む桜井さんは4月27日午後5時40分ごろ、夕食を運んだ際に、島中さんが自宅の居間で鼻から血を流して死んでいるのを見つけた。

 桜井さんによると、7月ごろまで週1回、朝9時から深夜まで同署で事情聴取を受け、担当した捜査員から「自首しろ」「おまえが犯人だったらいい」などと繰り返し言われた。6月ごろにはポリグラフ(うそ発見器)にかけられた。反応はなかったが、「無意識に殺したんじゃないか」などと言われたという。

 同署の内川源一郎・刑事課長らは20日、桜井さんの自宅を訪れ、西本容疑者が島中さん殺害をほのめかしていることや捜査経過などについて説明し、今後の捜査協力を求めた。この際、桜井さんが抗議したところ、内川刑事課長から「行き過ぎた捜査については、おわびしたい」などと謝罪の言葉があったという。

 同署の中嶋豊・副署長は「第一発見者や親族から繰り返し話を聞くのは当然のこと。犯人扱いするような言動はなかったと考えている」とコメント。桜井さんは「ストレスのためにうつ病になったこともあった。警察への恨みは忘れられない」と話している。


同じナイフで3人を殺害
10月に方向/豊丘村長
知事が敬老訪問

製作・著作:南信州新聞社/南信州サイバーニュース