2004年1月1日 >>>戻る


いよいよ決断の時期へ
「1万人未満」と明記されたが・・・


 昨年の平成15年は、全国的に「平成の大合併」といわれる市町村の再編論議が大きな関心を集め、これが地方にうねりとなって押し寄せた。今年も来年3月末で期限が切れる合併特例法と併せ、昨年11月に政府の地方制度調査会がまとめた最終答申が、どのように新法にも盛り込まれるのか、なども焦点になりそうだで、各市町村は「最終判断」に向けて難しい決断を迫られそうだ。

 平成大合併に向けた動きは、全国的には昨年の1年間でかなり前進した。最新情報によると、昨年暮れまでに全国約3200市町村のうち、1942自治体が合併協議に参加し、特例法期限内に493の新自治体が発足、1727自治体に再編される見通し。

 この結果と住民基本台帳の人口(平成15年3月末現在)を基に、合併推進後の市町村の姿を予想すると、人口5000人未満の自治体は709から225に、5000人以上から1万人未満は810から275に減少。1万人未満の合計では1519から500に減り、全体の構成比は48%から29%に減少する。

 しかし、予想通りいかないのが合併。協議の段階で、新自治体の名称、庁舎の位置、財政的な偏りなどで、参加自治体の思惑の違いが表面化、決裂する例も増えている。

 また、任意合併協議会から法定協議会に移行する段階で、住民投票や住民意向調査を実施する自治体が多く、せっかく友好的な話し合いを進めてきたにもかかわらず、合併反対が賛成を上回って協議会から離脱するケースも少なくない。

 市町村合併の取り組み、動きが比較的遅れていた飯田下伊那地方でも、別表のように昨年は18市町村が例外なくこの問題に対して真剣に取り組んだことが分かる。

 南信州広域連合でまとめた「1郡1市」の研究資料をもとに、全18市町村それぞれが住民に説明する懇談会を開催。また、下伊那郡町村会(伊藤喜平・下條村長)でも何回かの話し合いをしたものの「1郡1市は理想ではあるが、現状では困難で、各市町村の自主性を尊重する」などと確認した。

 これに伴い、次なる合併研究の枠組みとしては北部5町村、西部5村、南部7町村の各ブロックごとに話し合いが持たれた。が、北部では高森町が「自立を第一に考える」との姿勢が固く、任意協議会設置への動きが消滅。7月に喬木村が飯田市に任意合併協議会設置を申し入れたのを皮切りに、上村と南信濃村もこれに続き、8月に4市村で任意合併協議会を発足させた。

 また、12月には松川町と大鹿村の北部2町村による任意合併協議会も設置され、飯伊地方でもこの2ケースで合併協議が続いている。



喬木村で住民投票実施へ
県内では協議会離脱の動きも

 合併問題は、地域の将来に大きな影響を与えるだけに、一定の時期に住民の意志を把握する機会を設ける自治体は多い。世論を二分する課題であるが故の措置で、飯伊地方では昨年5月に平谷村で最初に実施した。

 人口が700人未満の県内最少の村は、中学生まで投票資格を与え、全国的にも話題を集めた。投票結果は、合併に「賛成」が全有効投票の74%を占めた。その後、村は近隣町村や飯田市に「合併研究」を働きかけたものの、いまだに相手先が見つかっていない。

 1市3村で任意合併協議を進めている喬木村の大平利次村長は、昨年12月定例議会で「法定協議会に移行する前に住民投票したい。今年の3月に条例化し、5月下旬以降に実施したい。結果については過半数を尊重したい」と表明した。

 今後も住民投票や住民意向調査を実施する考えを示している首長も多く、特例法の期限が1年3カ月後に迫る中で、今年は各自治体が合併か、自立かの最終判断を固める年になりそうだ。




昨年までの動きと経過
 昨年、飯田下伊那で任意合併協議会を設置したのは、8月に飯田市、喬木村、上村、南信濃村の1市3村。12月に松川町と大鹿村の2町村で立ち上げ、今のところこの2ケースのみ。

 1市3村はすでに4回の話し合いを持ち、行政とは別に一般から募集した「まちづくり市民会議」でも管内めぐりを実施するなど、今後は新市づくりへの「夢のある提言」を行っていく予定。

 同任意協は今年の3〜4月頃までには「新市の姿」をまとめ、これを住民に説明する予定。そして、喬木村では住民懇談会を済ませた上で、住民投票を実施。賛成が有効投票数の「過半数」だった場合にのみ、法定協議会に移行させる。

 上村、南信濃村についても、両村長とも住民懇談会終了後に「住民意向調査」などを検討しており、4市村の大合併が実現するかどうかは、今のところまったく分からない。

 一方、12月1日に任意合併協議会を設置し、これまで2回話しあいを行った松川町と大鹿村については、協議項目を絞り込み、いよいよ年明けから本格的な協議が始まる。予定としては今夏までに「新町の姿」をまとめ、これを住民に説明する方針。

 その上で、両町村とも住民意向調査(場合によっては住民投票)によって法定合併協議会に移行させる、としている。

 この他、これまでに任意合併協議会設置を申し入れた町村は、天龍村。秦村長が阿南町と売木村を訪問して要請した。しかし、まだ阿南町から色よい返事がきていない。阿南町は、自立志向の強い下條村、泰阜村を含む5町村の合併を視野に入れており、今後どのような展開になるのか目が離せない。

飯田市  3/3 市長が飯田市への合併申し入れの際の時期(リンゴの花咲く頃)と合併する場合の基本方針(編入合併、役場は支所になど)を市議会で表明。7/2 喬木村から任意合併協議会設置申し入れ、庁内に合併対策室設置。7/8 上と南信濃両村から任意合併協議会設置申し入れ。7/17市政懇会開始。8/124市村で任意合併協議会設立。9/11県に合併重点支援地域指定要請。10/28まちづくり市民会議発足。11/18〜204市村視察。
松川町  7/17大鹿村から任意合併協議会設置申し入れ。8/5 北部4町村首長会議で、任意合併協設置は無理と判断、各町村の自主性を尊重すると確認。8/7 北部4町村議会合併研究会が解散。9/10議会で大鹿村との任意合併協議に臨む方針と郡境越えた「中部伊那」構想に言及。9/29住民懇談会開始。12/1大鹿村と任意合併協議会設立。
高森町   3月議会で町長が自立の道を目指したいと表明。8/5 北部4町村首長会議で任意合併協議会設置は困難、各町村の自主性を尊重すると確認。8/29豊丘村から事務局レベルでの共同研究の要請。10/7ふるさとの自治守る住民大会開く。11/26町議会が豊丘村議会との交流開始。12/12 研究会が両首長に報告。
阿南町  7/25町の合併研が答申、積極的自立、消極的自立、近隣合併の3案併記。9/5南部5町村議会懇談会開催、具体的な話に至らず。9/18天龍村から任意合併協議会設置申し入れ。9/20町長が「南部5町村合併を視野に」と表明。9/24町議会が国の動向を見定め、任意協設置の結論を先送り。町長と議長が天龍村を訪問、任意協設置は保留と伝える。10/2町長が泰阜村を訪問、5町村での合併研究会参加要請も、村長は「町村連合」を逆提案。下條村も訪問し、同様の申し入れ。村長からは「地制調の答申を見た上で、自立で行けるところまで行く」との回答。
清内路村  3月に住民意向調査実施。合併賛成が33%、反対が20%。3/23村長が「西部5村揃って飯田市への編入合併」を提案も、足並み揃わず。5村で経費削減を目的に、共同事務処理を行う「緩やかな連合」の研究方針を決定。村長が6月議会で「阿智村と二人三脚の状態で進みたい」。9月議会で「当面は経費削減を目的に、5村で緩やかな連合構想の研究に全力を注ぐ」と表明。
阿智村  6月議会で村長が「自立を目指しながらも、単独村にこだわらず、自己決定の度合いの高い合併も視野に」と発言。9月議会でも「共同体意識を高めることで小規模町村として生き残りを模索し、方向を決断する時期になれば、意向調査や住民投票を実施する」「根羽、平谷との合併は考えていない」と言明。9/27村で小さくても輝く自治体フォーラム開催。下條、浪合、清内路の3村と議会レベルで合併研究を継続。
浪合村  4月に意向調査を実施。合併賛成45%、反対15%。6月議会で村長は「西部5村で緩やかな連合構想に向けた議論と並行し、阿智村との合併研究を進めたい」と表明。特別職の給与、議員報酬削減など、経費削減を断行。
平谷村  5/11全国で初めて中学生を含む住民投票投票を実施。合併賛成が74%占めめる。5/13西部4村に住民投票結果を報告。研究会の設置を要請。8/22中学生に投票後の経過を説明。
根羽村  1月に合併住民懇談会開催。4月に住住民意向調査実施。合併賛成43%、反対30%。村長は9月議会で「国や県、近隣町村の動向を踏まえて判断する、村は合併困難地域」との認識示す。
下條村  6/19村長が「交付税4割カットでも何ら障害はない」と明言。6月から議会が各地区で説明会。7/26合併シンポ開催。10/2阿南町から合併研究会参加申し入れ。村長「自立でいける所まで行く」と回答。
売木村  6/5 住民意向調査実施。合併賛成49%、反対21%。7/11村のあり方研究会が「合併は対等合併を重視」と答申。9/19天龍村から任意合併協議会設置要請を受ける。9/24議会は任意協設置の受け入れを決定。
天龍村  9/18阿南町へ任意合併協議会設置を申し入れ。9/19売木村にも要請。9/30阿南町から任意協設置は保留したいと回答あり。
泰阜村  9/18村長が「徹底した行政改革で自立したい」と表明。これを村民に説明する住民懇談会を村内全19集落で開催。9月末に財政の自立試案作成、歳出削減方針示す。10/2阿南町から南部5町村での研究会参加を要請されるも、町村連合を逆提案。
喬木村  6/2 飯田市へ任意合併協議会設置を申し入れ。8/12飯田市、上村、南信濃村と任意合併協議会設置。7/10〜地区懇談会開催。9/17村長が法定協議会移行前に、住民投票したいと表明。12/9村長が任意協から法定協に移行する際の住民投票は今年3月に条例化し、投票資格者は18歳以上、投票率50%以上で過半数の意見を尊重、実施の時期は5月下旬以降に、などと明言。
豊丘村  7/30合併シンポジウム開催。8/5 4首長会議で任意協設置は困難と確認。8/29高森町に事務局レベルで共同研究を申し入れ。9/19合併懇談会開始。12/12 研究会が議会に成果を報告。
大鹿村  7/17松川町に任意合併協議会設置を申し入れ。8/5 北部4町村首長会議で任意協議会設置は困難と確認。12/1松川町と任意合併協議会を設立。
上 村  7/8南信濃村と合同で飯田市に任意合併協議会設置を申し入れ。7/27〜村内4地区で住民懇談会。8/12飯田市、喬木村、南信濃村と任意合併協議会設置。9/11県に合併重点支援地域指定要請。10/28まちづくり市民会議発足。
南信濃村  7/8上村と合同で飯田市に任意合併協議会設置を申し入れ。7/22〜住民懇談会。8/12飯田市、喬木村、上村と任意合併協議会設置。10/28 まちづくり市民会議発足。




首長に聞く
残された時間わずか

 合併特例法の期限が迫る中で、政府の地方制度調査会の最終答申がどのように新法に盛り込まれるかが当面の焦点。最終答申には、合併に向けて協議中の市町村に配慮し、期限切れ後も平成18年3月まで1年間延長し、交付税措置の10年間、特例債発行などの措置は継続される。いずれにせよ、法定協議会設置は年内がリミットと見られ、合併か自立かを最終判断する時期は刻々と近づいている。

質問1 合併の研究、論議は尽くしたと思いますか。
質問2 今後、合併(自立)への取り組みは。
質問3 国の合併推進策に対する意見、要望は。
質問4 今後、住民投票や住民意向調査を実施す考えは。
質問5 飯田下伊那の将来はどうあるべきか。
質問6 その他、合併に対する意見、要望は。

 【飯田市】
 @現在、任意合併協議会で研究・協議中。
 A合併で足腰を強め、自立することがよいと考え、協議を進めている。
 B広大な市域となること、森林保全などに対する支援の強化。
 C任意協で合併後の姿を明らかにした上で、市民に意見を伺う機会を設ける予定。
 D一郡一市が理想だと考える。
 E合併を新たなまちづくりの機会にしたい。情報を公開し、住民参加の下に対等互譲の精神でお互いがよくなるよう協議を進めたい。

 【松川町】
 @合併研究のために、大鹿村と任意合併協議会を設立した。
 A任意協で合併に対する判断材料を提供し、自立の場合の資料提供もしたい。
 B今後、国の対応を見守りたい。
 C住民投票は考えない。懇談会などを通して論議、討論しながら住民の声を把握する。
 D将来、伊那谷は一つと考える。
 E特になし。

 【高森町】
 @研究中であり、今後も議論を深めていく。
 A自立を第一に考えているが、最終判断は住民の意思で方向を決めたい。
 B今回の合併は、根拠のない数値目標を定めて一方的に推進する自治体のリストラであり、容認できない。
 C住民への説明責任を果たした上で、意向調査を実施したい。
 D本来の地方自治を見つめ、本当に必要性を感じるものであれば、結果にこだわらない。
 E特になし。

 【阿南町】
 @南部5町村の枠組みで合併研究を呼びかけたが、不調に。残る選択肢は3町村合併か、自立。さらに論議を深めたい。
 A年明け早々、自立へのビジョン案を住民に示し、町政懇談会を開催。年度末までに町の方向を決めたい。
 B合併を推進する規模として「人口1万人未満」としたのは、地方分権に逆行する。断固反対する。
 C懇談会の結果を整理し、必要に応じて住民意向調査を実施。
 D将来的には1郡1市が理想。
 E特になし。

 【清内路村】
 @まだまだこれから。
 A西部5村の緩やかな連合で「実質自立」を基本に、状況変化があれば対応する。
 B基礎的自治体は、人口規模で決めてはならない。地域自主を尊重、合併を強制しないこと。
 C村民への説明、論議を重ねた後、今一度住民の声を聞く。
 D1郡1市の大合併に向け、真剣な研究をすべきだ。
 E特になし。

 【阿智村】
 @自治会・集落懇を行い、議会でも研究を深めている。
 A交付税削減を予想し、自立プランを村民に提示、その結果で合併、自立を判断したい。
 B人口による強制的な合併推進策は、自治体の自主判断を迷わせるだけ。
 C合併か自立か意向調査をしたい。
 D特色ある村々が、飯田市を中心に共同で事務・事業を行い、施設の有効設置で発展することが望ましい。市の経済、文化充実が地域発展の鍵。広域連合の充実、受益と負担適正化を考える。
 E飯伊は異なる文化、住民が誇りを持って集落を守っている。集落が非効率だ、と切り捨てられることが心配。

 【浪合村】
 @研究会や住民懇を重ねている。今後も資料などで議論を深めたい。
 A合併は相手がいる。小村は受身の立場。先人の英知で築いた誇りある村・自治を守り続けたい。自立への研究もしたい。
 B国会議員は、地方の実情を訴えて欲しい。国こそ地方が納得できる改革を、厳しく進めよ。
 C住民意向調査を再び実施したい。住民投票は現時点で考えていない。
 D将来的に、1郡1市を望む。
 E特になし。

 【平谷村】
 @村の税財政試算を作り、住民投票も実施するなど研究、論議は尽くしたと考える。
 A住民投票結果を尊重し、村民に最良の合併ができるよう努力したい。
 B地理的条件で合併が困難な小規模村に、支援策の制度化を望みたい。
 C昨年5月に住民投票を実施。
 D18市町村一体で地域活性化に取り組むべきである。
 E交付税改革、税源移譲など、国は早く方針を示して欲しい。地方は財源問題が不可避。

 【根羽村】
 @住民参加の検討委で検討中。今後も住民の意向把握に努める。
 A現状では今すぐ合併は困難。村民が未来永劫住み続けられる人・環境づくりを進め、合併問題を考えたい。また、住民が主体的に参加し、自らつくりあげる自治体運営への道も目指す。
 B画一的な合併は無意味。地域事情を考え、合併支援措置が、合併できない町村に影響が出ないようにして欲しい。
 C住民の意見を把握し、検討したい。
 D将来的に1郡1市。各自治体が十分論議して利点を認識するべき。
 E三位一体改革で、交付税制度を十分理解し、再検討して欲しい。

 【下條村】
 @地制調最終答申で、再び議論中。
 A行政スリム化をζ11年前から開始、職員は類似村より4割少ない。道の修繕補修など地域ができることは材料を支給、住民が汗を流し、下水道事業でも合併浄化槽にして事業費抑制に努めている。
 BDE国の現状から、自己責任で行政能力を高める自治体を目指す。合併に障害ある地域は、スリム化で足腰の強化にも。今の着膨れ合併なら不平、不満、被害者意識などでいつまでも依存体質が抜けない集合体になる。危機的な財政下、国は改革の模範を示せ。
 C年明けに地区懇、2月に住民意向調査を。

 【売木村】
 @まだ不十分。
 A職員体制を整備し、住民懇談会などで論議したい。
 B国の方針がまだ明確ではなく、早急に示して欲しい。
 Cどちらも今のところ予定なし。
 D広域連合の充実を図るべきだ。
 E特になし。

 【天龍村】
 @阿南、売木との議論が進んでいない。新しいまちづくりを検討し、住民と意見交換したい。
 A3町村の枠組みは住民合意を得ており、実現に努力するのみ。実現しないとかなり厳しい。
 B今さら何をいっても意味がない。
 C3町村の合併が実現しないと、意向調査をしないといけない。
 D各地域ともに発展する施策が実現でき、運命共同体意識を共有できれば一つになれる。
 E合併は行財政改革へのメリットは大きく、その議論が尽くされていない。

 【泰阜村】
 @国の方針が不透明で、村の資料も限られる。村民が理解するには時間が必要。
 A「自律への道」を作成、有権者全員に配布。村内イ集落で懇談会開催。
 B合併ありきではなく、国や県の役割、基礎的自治体の仕事を決め、統治体制を規定すべき。
 C住民意向調査を検討したい。
 D運命共同体として力を合わせ、まず経済的自立をめざす。ものづくり、研究機関、ツーリズム、農林業など総合的にできる、宝がある地域へと産・官・学の連携で地域づくりに努める。
 E枠組み論議の前に、地方自治の原点を論議すべき。財政のみに振り回されないことが必要。

 【喬木村】
 @まだ十分ではない。
 A1市3村の任意合併協議会で協議中。
 B財政面がどうなるか、まだ示されていない。三位一体の改革を早くはっきりさせて欲しい。合併する、しないにせよ、地方の不安をなくすことが必要。
 C任意合併協議会終了後に住民投票を行う。
 D将来は1郡1市。当面はできる所から話し合っていけばいい。
 E地方へ痛みを押し付けるのではなく、国が行政改革の模範を示せ。

 【豊丘村】
 @研究中であり、引き続いて論議を深めたい。 A村政懇談会、各種団体、グループとの懇談会の開催。
 B行財政の締め付けによる強制合併には賛成できないが、将来の方向として協力すべき事は協力したい。
 C住民意向調査や、状況により住民投票を実施したい。
 D当面は動向を見て、次にブロックで、将来は1郡1市に。
 E合併など新たな組み合わせによる住民の意識き改革で、地域の発展を期待したい。

 【大鹿村】
 @まだ不十分。今後、さらに深めたい。
 A研究委員会と一緒に合併、自立の検討を進め、住民に情報を提供していく。
 B合併を推進するのであれば、財政指標を具体化し、鮮明にすることが大切。方向性が曖昧。
 C住民意向調査を行う。
 D仮に1郡1市を目標にするなら、地域の特性やコミュニティーを残すため、総合支所的な形が理想。
 E特になし。

 【上 村】
 @まだ不十分。任意合併協議会で論議を深めたい。
 A任意協議会で話し合い、意識改革と自立への努力をしたい。
 B人口規模で基礎的自治体を位置付けないこと。合併できないことで財政的な罰則を課さないこと。地域自治組織導入には、法定事項は地方を信頼して最小限に、地域の自主性を尊重して活用しやすいものに。
 C任協終了後に住民懇、住民投票を考える。
 D将来的に1郡1市。
 E飯伊は合併困難地域とは思わない。道路網整備状況で、飯伊は一つを実現すべき。

 【南信濃村】
 @任意合併協議会で検討中。
 A任意合併協議会での成果を住民に示し、合併の可否を判断したい。
 B国の将来が本当に憂うものであれば、毅然とした方針で合併を推進すべきだ。
 C地区懇談会を通して、住民の意向を集約したい。
 D1郡1市の合併を推進し、一体的な取り組みを図っていくべきだ。
 E特になし。



厳しさ増す財政運営
財政力指数は平均0.21


 下伊那地方事務所がまとめた飯田下伊那地方18市町村の02年度財政指標は、小規模町村が林立する地域の特性ともいえる、交付税に依存した苦しい状況を露呈している。7町村で過去の投資のツケともいえる起債制限比率が10%を超えているばかりか、1に近づく、あるいは超えるほど財政力があるといわれる財政力指数も0.010を割る自治体がある。

 下伊那地方事務所が昨年暮れにまとめた飯田下伊那地方18市町村の02年度財政指標によると、7町村で過去の投資のツケともいえる起債制限比率が10%を超えるなど、厳しい財政状況が依然として続き、1に近いか、超えるほど財政力が高い財政力指数も、全市町村3カ年の単純平均で0.216と低迷。小規模町村が多い地域の特性ともいえる交付税依存の実態を映している。

 財政指標は、財政の健全度を示す値。当該年度の標準財政規模に占める元利償還金の割合は起債制限比率、経常一般財源に減税補てん・臨時財政対策債を加えた経常収支比率、公債費負担比率などをまとめた。

 高いほど借金返済額が大きく、政策経費に回す予算を圧迫する起債制限比率は、3カ年平均でも飯田市や阿南町など7市町村が10%を超える高水準。

 02年度のみを見ると、清内路村が14.4%に達し、泰阜村が13.1%、飯田市、上、南信濃両村が12%超。全県の単純平均は単年度が9.6%、3カ年の平均は9.4%だった。

 基準財政収入額を基準財政需要額で割った過去3年の平均値を示す財政力指数は、18市町村の単純平均で0.216、県の単純平均0.350を大きく下回った。

 軽井沢町はこの指数が1を超え、県内唯一の不交付団体。飯伊は0.073の清内路村、0.094の上村など、0.01台が9町村に上り、県内他地域に比べかなり低い。地域全体が限りなく交付税に依存していることを示している。

 合併の研究・論議が佳境を迎え、最終決断時期も迫っている。合併に前向きな市町村や自立志向の自治体にとっても、借金による財政圧迫が今後の進路を決める上で大きな鍵となる。





 交付税の94%を占めているのが普通交付税。全国で一定水準のサービスを提供できるよう自治体の財政力に応じて配分される地方交付税のメーンで、標準的なサービスに必要な経費(基準財政需要額)と、見込まれる地方税収入の差額を穴埋めするものだが、この普通交付税の削減が必至となっている。

 国は税源移譲に伴う交付税の見直しを進める方針で、自立(自律)を研究する町村は今後15―20年間に最大で40%カットされることまでを視野に入れてシミュレーションしている。

 グラフは、98年から昨年までの飯伊計と松川町、大鹿村、平谷村の普通交付税額(決定額)の推移を示している。すでに飯伊では減額が進んでいる様子がわかる。

 大規模町村ほど落ち込みが大きく見えるが、規模が小さいほど減額率は高い。飯伊計がピークだった99年を基準の100とし03年の額をみると、松川町が87.6、平谷村が84.2、大鹿村が72.3。交付額が小さい町村ほど、数字以上の痛手を負っている。

 3年間で総額の約3割、3億4000万円減額した大鹿村は今後10年間でさらに35―40%減ると想定する。「役職員の報酬カット、住民負担増を断行しても立ち行かなくなる。合併によって生き残りを図るしかない」(財政担当)とし、昨年7月に松川町に任意合併協の設置を申し入れた。「現状でさえ厳しいのに、これ以上減額されては生き残れない」という判断からだ。

 小規模町村ほど減額率が高くなる要因は、02年から続く「段階補正の引き下げ」にある。都市部と地方の人口ひとりあたりに掛かる経費の格差を埋めるための措置で、「無駄を省き、より効率的に運営を促すため」という考え方からだが、これにより行政規模の小さい町村ほど従前の交付額を得られなくなった。「全国に一定水準のサービスを提供する」の概念は崩れ、小規模町村が多い飯伊の合計額は83.1まで下落した。

 飯伊で最も人口が少ない平谷村の03年度決定額は00年より1億円少ない5億7000万円だった。財政規模が小さいほど、減額は行政運営に大きく影響する。

 グラフの点線は、臨時財政対策債発行可能額分を加えた総交付額を示す。いわゆる赤字地方債で、00年度まで国が交付税特別会計で一括借り入れしていた基準財政需要額の一部を各自治体が特例地方債・臨時財政対策債として独自に発行できるというもの。国は将来の交付税から補てんするとしているが、それは「この額だけ借りてもいいですが、将来は自分の責任で払ってください」ということを意味する。

 両額を合わせると、あたかも交付税が安定しているかのように見えるが、その点線の下で実線、つまり実質交付額が大きく落ち込んでいる。

 「現在も苦しいのに、これい以上減らされては・・・ 」。紙面を踊る首長らの言葉はこうした現状を反映している。


合併か自立の道か/未来方向づける年
7年ごとに1回/ことしは申年お練祭り
アテネ五輪の夢/スポーツ特集
未来へ歩め飯伊経済/図解「自立への道」

製作・著作:南信州新聞社/南信州サイバーニュース