中部国際空港の開港、愛知万博「愛・地球博」の開幕により、中部地方がますます活気づく2005年が幕を開けた。県南の玄関口となる南信州でも産業振興、観光誘致への期待や、遠州(静岡県西部)、東三河(愛知県東部)との県域を越えた「三遠南信地域交流」に対する関心が高まっている。古くから天竜川や秋葉街道を通じて人的、物的な往来を盛んに行い、経済、文化、風習などあらゆる面で密接な関係を築いてきた3地域。今年の新春座談会は各地域の中核都市から、北脇保之・浜松市長、早川勝・豊橋市長、牧野光朗・飯田市長を迎え、「三遠南信新時代へ」をテーマに将来に向けた夢を語ってもらった。
座談会は昨年11月、本紙と愛知県豊橋市の東愛知新聞社の共催により、飯田市で開かれた「第12回三遠南信サミット」に合わせ市内で行った。
質問は、3地域の現況、地域振興策、道州制への展望、中部国際空港と愛知万博の活用法、それぞれへの期待、新時代の交流のあり方-の6項目を設けた。
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「3地域の現況」では、北脇・浜松市長が今年7月、同市を中心とする12市町村の大合併による人口80万人の新市誕生と、2年後の移行を目指す政令指定都市の実現を挙げて「遠州灘から佐久間町、水窪町までも含み、南信濃村や天龍村と接することになる。経済・文化活動を活発化させ、交流人口、定住人口の拡大につなげたい」と述べた。
「地域振興策」について牧野・飯田市長は、経済的自立度の向上の必要性を説いた上で、行財政改革をはじめ、各業界と行政の協働、多様な生活形態の活用、地域を出ても再び戻り定着する人の育成を掲げ「美しいふるさとを保全し、地域文化の継承が可能な“文化経済自立都市”を目指す」と語った。
「空港と万博の活用」は早川・豊橋市長が、24時間空港の実現による交流の容易化に期待を寄せながらも「国際的な地域競争も生まれる」と指摘。勝ち抜くために、地域のポテンシャルを高める重要性を強調し「空港や三河港の流通の拠点を財産に、三遠南信のつながりでグローバルな交流を進めたい」と話した。
最後の質問「新時代の交流のあり方」について、北脇市長は住民交流の必要性に触れ、毎年3地域で開かれ、今年は浜松が会場となるサミットのあり方について「住民交流の大きなきっかけにしていきたい」と意欲を示した。
早川市長は文化、教育、スポーツなど各分野の交流を願い、豊橋、浜松両市の大学の能力、財産を活用する新しい交流についても提言。牧野市長は空港や万博を活用した観光誘致に意欲を見せ、浜松市が目指す、政令指定都市への移行には、新たな枠組みの中での交流に期待した。
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座談会では、3市長とも「三遠南信地域は、それぞれの魅力を補完し合うことで一体的な発展ができる」とする共通の認識を示した。
経済的自立を目指す南信州にとって、工業発展を遂げ高い生産性を誇る浜松、豊橋両市は学ぶべき「スタープレーヤー」(牧野市長)。一方、2市にとって豊かな自然に恵まれる南信州は「素晴らしい地域資源を有する」(北脇市長)地域として映る。
大合併で人口80万人になる工業都市の遠州・浜松市、国際貿易港を生かし、着実な発展を遂げる東三河・豊橋市、山間地にあっても既存の財産を活用した経済的自立を図ろうとする南信州・飯田市。個性もまちづくりも全く異なるからこそ、「相互補完による一体的な発展」を目指す意義は大きい。
もう一つの共通認識として、さらなる交流促進への期待が挙げられた。
天竜川の水運や海辺と内陸を結ぶ「塩の道」、信仰の道「秋葉街道」により、古くから往来のあった3地域だが、交通手段の変化や県の枠組み、北信越、東海などのブロック割りでそのかかわりが一時薄れた経過がある。
次世代合併となる道州制をめぐり早川市長は「再び道州の境界にならないよう、3地域はこれまで以上の連携が必要」と、重い言葉を残した。
3地域を再び結ぶ自動車道の開通を前に、さらなる交流・連携への機運は高まりつつある。行政、民間、住民の各段階に広く浸透したとき、多くの可能性を秘めた三遠南信地域の新時代が幕を開ける。
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