2005年10月21日 >>>戻る
西本被告の第4回公判
 飯田市、高森町、愛知県春日井市で昨年起きた4件の連続殺人事件で、強盗殺人など9つの罪に問われた本籍飯田市、住所不定、無職、西本正二郎被告(28)の第4回公判は19日、長野地裁(土屋靖之裁判長)で開廷した。西本被告は前回の公判で証言した内容について検察側から一部確認を求められると、再度同意したものの、犯行の詳しい動機や犯行に及んだ当時の状況などについて追及されると、「話したくないです」、「答えたくないです」と前回の公判とは一転、検察、弁護両側からの質問の大半に答えなかった。

 この日の西本被告は髪を短く刈り込み、黒い長袖のシャツ、グレーのズボンにサンダル履き姿で法廷に現れた。土屋裁判長からの着席指示に対して、西本被告は自ら立って証言することを主張し、終始証言台の前に立ったまま後ろで手を組んだ状態で淡々と答えていた。

 被告人質問で弁護側は、西本被告が自分の命を軽くみているから人の命も軽くみていたと証言したことや、一連の犯行に及んだ原因に自分の生い立ちや家庭環境を挙げた前回の証言を確認。西本被告は再び同意したものの、家族や家庭環境などについて詳しい証言を求められると「話したくないです」と即答。弁護側は少し間を空け証言拒否の理由を追及したが、西本被告は再度証言を拒否した。

 弁護側は質問を中断、西本被告は土屋裁判長から「検察側からの質問には答えられますか」と聞かれると「質問によります」と答えた。

 検察側からの「殺害された4人はいずれも高齢で(西本)被告より弱い立場にあり、なぜそのような人ばかりを狙ったか」との質問に、西本被告は「立場が弱いとかそういう目的で狙ったのではない。ただお金のため。比較的お金がありそうだというだけで年齢や性別は関係ない」と答えた。また、逮捕のきっかけとなった飯田市の窃盗未遂事件では「元同僚の給料を盗む以外にも別の目的があった」と述べたが、その目的について追及されると、証言を拒否した。

 名古屋市のタクシー運転手、湊保雄さん(当時59)殺害について、当初ひったくりをして現金を奪おうと計画していたことを虚偽の証言と認めたが、作り話をした理由については話さなかった。

 2件目の飯田市大王路、無職、島中実恵さん(同77)殺害は、あらかじめ島中さんが1人暮らしだったことや島中さんに身内がいることを知っていたことを強調、計画的犯行だったことを再び認めた。一方で、捜査段階では当初「空き巣に入ろうとしていた」と虚偽の証言をしており、その理由については話さなかった。

 さらに検察側は殺害された4人の生い立ちや家族構成、遺族の悲痛な気持ちをそれぞれ訴え「どう思いますか」と問いかけたが、西本被告はすべて証言を拒否した。また、飯田署での取り調べの際に、どの段階でなぜ殺人などの一連の犯行を認め、話す気になったか、などについても「話したくないです」と終始した。

 土屋裁判長が「期日を変えれば答える気はありますか」と尋ねると西本被告は「わかりません」と即答し、被告人質問は終った。

   ×   ×

 前回の公判で「今回の事件を通じて申し訳ない気持ちになった。これまで隠してきたが真実を話すことで自分が犯した罪を償いたい」として、4件の強盗殺人の経緯や証拠隠滅を図ろうとした手口などについて詳しく証言した西本被告は今回、大半の証言を拒否した。

 閉廷後、弁護側は「(証言を拒否する西本被告は)想定外だった。今回の公判を前に接見を求めたが、8月下旬に一度会っただけで、それ以降(西本被告は)風邪などを理由に4度にわたって(接見を)拒否した。どういう考え方をしているかわからない。今後意思の疎通を図っていきたい」と述べた。

 次回公判は11月16日。被告人質問を引き続き行い、弁護側は専門家が鑑定する「情状鑑定」を申請するため、再度西本被告の家族構成や生い立ちなどについて質問を行うほか、自首の適応を求める。
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西本被告の第4回公判
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製作・著作:南信州新聞社/南信州サイバーニュース