県会の商工生活環境委員会(平野成基委員長)は6日、県が昨年2月から休止している阿智村伍和の廃棄物処理施設の建設計画について、集中審議を行った。太田寛・県生活環境部長は「やらない(建設しない)選択肢もある」と述べ、県としての考えを8月に示すことを伝えた。ただし、地元との合意形成などを含めたうえでの「最終結論」を出すには「数カ月の猶予を頂きたい」とした。委員からの「どのような処理場ならできるのか」の質問に対して、大田安男・県廃棄物対策課長は「(実現可能な)具体的な案は考えていない」と話した。
県は2003年度の県内の産業廃棄物処分量が10年前と比べて約4分の1となり、最終処分場の残余年数は1・4年から6・3年に上がっていることを説明。阿智村の処分場について、受入れ量が当初見込みから半減し、料金収入が約55億円減少する試算を伝え、「県の財政負担が最大で97億円に増大するため、現行計画での建設は困難」との認識を改めて示した。
そのうえで、当初計画を見直す中で検討し、実現には課題があるとする▽処理料金の倍増▽埋め立て期間の延長▽埋め立て容量の縮減―などの案について、「あくまで検討案であり、代替案ではない」と強調した。
小池清委員(自民党県議団)が、「それならば、県の財政を踏まえた実施可能な代替案を考えているのか」とただすと、大田課長は「どういう処理場ならできるかの案は考えていない」と回答。小池委員からは「それは無責任。検討してしかるべき内容」と詰め寄った。
県や県が出資する事業団が処分場の計画から建設、運営までにかかわるとしてきた「公共関与」について、県側は▽廃棄物の減量化に向けて企業を支援する▽民間業者の参入を促し、監督権を強化する―などの方法もあることを例示。それらの検討を踏まえて、産廃政策を抜本的に見直していることを伝えた。
太田部長は「阿智に処分場を造る、造らないだけでなく、県が廃棄物問題の何に費用をかけるかを考える中で、阿智の問題も考えていかねばならない」と述べる一方で、「阿智村に処分場を建設するとなれば、民間参入の考えは持ち合わせていない」とした。
小林利一委員(県民クラブ)や寺島義幸委員(緑新会)、清水洋委員(志昴会)らは、施設受入れを決めるまでの地元の苦労を踏まえたうえで、「採算性や最終処分量の減少を理由に中止するのでは納得しない」「事業のプロセスに変更があるならば、きちんと説明責任を果たすべき」などと指摘した。
太田部長は「地元の方々が県の方針に理解を示し、対策委員会などが熱心に勉強してこられたことに感謝しており、無下にすることはしない。今後も誠心誠意対応していく」と述べた。
集中審議には阿智村議会の議員3人が傍聴。同村伍和の上原耕平議員は自らの経験を踏まえ、「仮に県が阿智村の処分場の建設を中止し、民間業者による施設をどこかへ造るとなれば、地元となる住民との合意形成は相当に困難となるだろう」と話した。
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