4月に施設を新設し、パン作りを始めていた飯田市今宮町の精神障害者通所授産施設「いずみの家」が、施設外での販売を活発化させている。6日には飯田長姫高校で2回目の販売を実施し、50個を完売。生徒の間でも好評で、今月16、17日の2日間同校で開催される長姫祭でも販売していくことが決定している。
一度に100個のパンを焼き上げるオーブンなど開所を機に本格的な設備を導入してパン作りに励んでいるいずみの家利用者。パン教室を主宰している三浦宏子さん(同市松尾)を講師に、この3カ月間でパン作りの基礎を学び、「販売できるだけの商品になった」と判断。
週3日、5人が製造に携わり、3人での販売体制を確立して、これまでに同高校をはじめ、ゆめみらいICTカレッジや市役所保健センター、飯田病院など地域での販売に乗り出した。
飯田長姫高校での販売は、毎年2回の割合で同校生徒会役員らが中心となって福祉施設を取材する企画でいずみの家を訪れたのがきっかけ。パン作りを知った生徒らが16日に開幕する文化祭での販売を希望したことで、同祭までの毎週水曜日、校内での試験販売を高校側が許可した。
この日は昇降口に販売所を設置して、クリームパンやアンパン、ジャムコルネ、チーズパンなど1個100円で統一した6種類計50個を用意。夕方の部活前、また文化祭の準備期間とあって多くの生徒が訪れ、「焼きたてのおいしそうな感じにひかれた。こういう取り組みはすばらしいと思う」などと、好みのパンを購入していた。
学校側も「完全な販売体制を整えるには課題もあるが、売れ行きが好調なのは我々としてもうれしい」と話し、販売を手がけたいずみの家の牧内克博精神保健福祉士も「上手に焼けるようになったので、多くの地域の人たちに買ってもらいたい」と順調な売れ行きに笑顔だった。
しかし、なかには「よだれが入っているのでは」などと偏見を持つ人もおり、悲しい現実を突きつけられている。製造過程で帽子やマスク、衛生服の着用は義務付けられ、専用の消毒液を使い、爪も毎回施設職員がチェックするなど徹底した衛生管理を実践。製造に使う水は猿庫の泉の水を許可を得て使用している。
牧内さんは「安心して食べてもらえるパン作りを常に心がけ、どんな人からも信頼される商品になれば」と話している。問い合わせは同施設(電話2458)へ。
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