2006年7月19日 >>>戻る
知事選挙あす告示
 任期満了(8月31日)に伴う長野県知事選挙はあす告示され、いよいよ17日間の選挙戦本番に突入する。立候補を表明しているのは、現職で3選を目指す田中康夫氏(50)、新人で前衆院議員の村井仁氏(69)、新人で会社役員の峯正一氏(44)の3人。この他にも新人の動きはあるものの、事実上は現職田中氏と新人村井氏の一騎打ちの様相だ。6年続いた田中県政の継続か、阻止か、177万有権者の判断が注目される。

 今回の知事選は、現職田中氏にとっては3回目の戦い。初回の選挙は「改革派知事」を前面に訴え、旧来の県政を変えたいとする有権者の期待に応える形で初当選。

 県議会の知事不信任案可決に伴う前回は、対決構図が必然的に「改革派の知事―守旧派の県議会」となり、多くの有権者が県議会の姿勢に猛反発、田中氏への「同情票」となって他候補に圧勝したのは記憶に新しい。

 3回目の今回は、過去6年間続いた田中県政の評価とともに、何かと話題になる政治手法に対して良し悪しをどう見極めるのか、今度ばかりは有権者の冷静な判断が問われる選挙になった。

 今回の知事選に向けた動きは、前回にも増して対立が続く県議会をはじめ、県内の各政党や政治団体も「現職を代えたい」とし、本来の政策論を度外視して複数のグループが早くから知名度の高い新人に白羽の矢を立て「勝てる候補」の擁立工作を展開した。が、グループそれぞれの思惑の違いもあって、大半が擁立に失敗。そのもたつきぶりを露呈した。

 また、県内の政党・政治団体も明確な姿勢が打ち出せず、自民党県連は党を表に出さない形で村井氏を支援。公明党県本部は政党色を薄めた形で村井氏を推薦した。しかし、昨年の衆院選で県内の比例票を最も獲得した民主党県連をはじめ、共産党県委員会、社民党県連も「自主投票」とし、知事選への影響力を行使する道を閉ざしてしまった。

 そんな中で、当初は前回までに見られたように田中氏は、新人擁立の動きを見ながら今回もぎりぎりの段階で立候補表明するのではないかと思われたが、6月県会の初日(22日)にいち早く3選出馬を表明するに至った。そして、対立候補の本命と見られる村井氏が腹を決め、出馬表明したのが告示まで20日と迫った6月30日だった。

 3氏の政策については、田中氏は「誰もが誇らしく語れる信州・長野県をさらに」とし、福祉、医療、教育、環境、観光、産業、景観の7つの改革、育成、転換をと、前回の公約を推進する基本姿勢を述べた。

 村井氏は「権力のない知事による輝く市町村づくり」を前面に打ち出し、基礎自治体である市町村への権限と責任の移譲を約束、市町村が主役の県政に、と訴えている。

 峯氏は「誇れるふるさと信州をすばらしい地域に」とし、心の温もりをキーワードに社会資本の整備、農林水産業の保全、教育・福祉の充実など、各分野で信州オリジナルを目指す、と強調している。

 3氏とも知事選に臨む基本姿勢は示してはいるが、任期(4年)中に実行すべき政策実現への財政措置、期限などを具体的に示すマニフェスト(政権公約)はこれから。

 そんな中で、飯田下伊那では田中氏、村井氏の後援会がどう戦うのか。田中氏の「しなやか会」はもともと勝手連的な組織。関係者は「もともと動員力がなく、今回も草の根運動によって“隠れ田中票”の掘り起こしに全力をあげるしかない」と語る。

 一方で、村井陣営では飯田市名古熊に後援会事務所を設置。宮下一郎氏、吉田博美氏の両国会議員をはじめ、飯伊5県議、社民党、連合飯田地協なども加わり、超党派による選挙態勢づくりが整いつつある。

 「隠れ田中票」が多いといわれる飯伊。出遅れた村井派がどう巻き返すか、後援会幹部は「組織を可能な限り動員し、投票日までに必ず追いつき追い越したい」と意気込んでいる。
知事選挙あす告示

製作・著作:南信州新聞社/南信州サイバーニュース