2006年7月28日 >>>戻る
知事選の中盤情勢
 20日に告示されて以来、新人村井仁氏と現職田中康夫氏のし烈な一騎打ちが続いている県知事選挙。きょう28日は折り返し点となり、いよいよ勝敗の行方を左右すると見られる後半戦に突入する。告示直前に県内を襲った大雨の影響も指摘される中で、両陣営とも前半戦は有権者の動向をつかみきれず、後半戦は下部浸透に総力をあげる。飯田下伊那の中盤情勢を追った。

○戦いの図式

 今回の選挙は、3選を目指す現職田中氏に対し、出遅れた新人村井氏の追撃なるか、が最大の見所だ。知事不信任案を可決した県議会に反発した有権者が、田中氏に大量の同情票を寄せた前回選挙と異なり、今回は努めて冷静に判断しようとする姿勢もうかがえる。
 当初は「現職を代えたい」とする複数の市民グループの相次ぐ擁立工作の失敗もあり、最終的に村井氏を擁立したのが7月末。そのもたつきぶりも露呈した。このため、今なお県内の「反田中系グループ」が村井氏に総結集するまでには至っておらず、今後一枚岩になれるかどうかが、勝敗の行方を左右しそう。

 政策的には、村井氏は「市町村が主役の輝く長野県づくり」を主張。一方で、田中氏は「改革を継続し、未来へ誇れる美しい信州、安心して暮らせる豊かな信州を」とし、2人とも基本姿勢を示してはいるものの、具体的な政策(マニフェスト)は発表していない。今回の戦いは、政策を度外視した「6年間の田中県政を継続するのか、交代した方がいいのか」の選択で、単純明快だ。

○運動の担い手

 今回も県内の政党や政治団体の姿勢が明確でなく、村井氏へは自民、公明両党が政党色を表に出さない形で支援している。が、民主、共産、社民の3党は自主投票に。しかし、民主と社民は地域によって対応が分かれているほか、共産党については自主投票といいながらも、実質的には田中支援に回っている。

 飯伊に限っては、村井陣営の支持拡大を担う運動員は、県議(5人)の後援会、市町村議員、連合飯田地協、それに経済界を中心に各種団体を通じた各市町村ごとにミニ集会を開き、支持の輪を広げている。

 一方で田中陣営は、もともと組織らしい組織がなく、田中氏の政治手法に賛同する熱心な支持者が「隠れ田中票」の掘り起こしに奔走する姿は前回と変わっていない。告示当初は「山間部ではポスター貼りすら難しいのでは…」と見られていたが、運動員の絶対数は前回並みに確保できている(関係者)と自信を見せる。

○災害の影響

 今回の選挙では、告示直前に県内各地を襲った大雨災害が少なからず影響を与えている。災害発生で、現職の知事である田中氏は、職務代理者を置かないまま選挙戦に入った。このため、公務で選挙運動をしている、との批判を受けながらも権限をフルに発揮している一方で、村井陣営にとっっては有利に働く「脱ダムの理念が、現実には県内の地勢条件にそぐわないのではないか」の声も高まっている。

 思わぬ災害発生が「現職に有利」とする見方がある一方で、選挙運動しないで有権者に投票依頼することはフェアでなく、現職は地位利用のそしりを受けている、との見方も。

 大雨災害によって、新人村井氏への思わぬ評価も高まりを見せており、元防災担当大臣を経験した実績で、識者の間では「災害対策への施策にその経験を生かすことができるのではないか」との期待感も寄せられているという。

○終盤への戦い

 両陣営とも通常の選挙運動のように、支持者名簿による確票の積み上げ作業はまったくしておらず、今後の下部浸透対策については「最後までまったく見当がつかない。こっちが教えて欲しいくらいだ…」と口調は同じ。「可能な限り下部浸透したい」と強調するのだが、動いている人(運動員)は前回とそう変わっておらず、有権者の動向が最後までつかめない不安にさいなまれている。

知事選の中盤情勢
中生種モモの集荷始まる

製作・著作:南信州新聞社/南信州サイバーニュース