2006年8月29日 >>>戻る
飯田市で地域史研究集会
 飯田市地域史研究集会(市、市教委など主催)が26、27の両日、同市追手町の市立追手町小学校講堂で開かれた。日本を代表する建築家・安藤忠雄さんの記念講演を交えたシンポジウム「歴史のなかの町並みと建造物」のほか、飯田下伊那地方の歴史についての研究報告を行い、2日間で延べ約400人が来場。地域史への理解を深めるとともに、これからの地域づくりを考え合った。

 市、市教委、歴史研究所、美術博物館、図書館が主催し、各年度における地域史の調査、研究の成果を発表する場として年1回開き、4回目。地元在住者はもとより、歴史史料が豊富な飯伊地方を対象に研究活動をする全国の研究者が集う場としても、定着しつつある。

 研究集会の冒頭、飯田市歴史研究所が、飯田下伊那地方の地域史研究における優れた研究や活動を表彰する「飯田歴研賞2006」の表彰式が行われた。3回目を迎えた今回は、05年度発行の著書、論文を対象に同研究所が審査し、4つの作品、研究成果が表彰を受けた。

 著書部門の最優秀賞には、熊谷秋穂さんの自分史『大陸流転―ふたつの戦争』(信濃毎日新聞社刊)、長野県現代史研究会の『戦争と民衆の現代史』(現代史料出版)が、奨励賞には座光寺古文書研究会と2005年度一橋大学経済学部3、4年森武麿ゼミナール『村報にみる戦時下の農村―「三穂村」を事例として―』が選ばれた。

 表彰式では、代表者に同研究所の吉田伸之所長から賞状と記念品が手渡された。「満洲(現中国東北部)」での体験をつづった『大陸流転―ふたつの戦争』で最優秀賞を受賞した熊谷さんは「あのような戦争はあってはならない、と平和を願う一人として書き上げたもの。身に余る栄誉をいただき、大変うれしい」と喜びを語った。

 牧野光朗市長は開会にあたり、「多くの研究報告から、地域づくりの貴重なヒントやメッセージをいただけるのでは。議論を深め、市民と行政との連携で文化事業を行っていきたい」とあいさつした。

 約350人が詰め掛けたシンポジウムでは、建築家の安藤忠雄さんが記念講演を行ったほか、信濃建築史研究室の吉澤政己代表が「信濃の城下町建築」と題して報告。幕末のものには張り合わせた柱が使われている、茶室があるなど、飯田城下の武家屋敷の特徴を踏まえながら、県内の伝統的な建築を紹介した。

 東京大学の伊藤毅教授が「建築はある種、暴力的で異物感のある行為。けれど、良いデザインにするだけではなく、環境や空間を総合的につくることが大切。タイプの異なる2人の成果から、一人ひとりの意識や力が集まればまちづくりにつながる、というメッセージをいただいた」とシンポジウムを総括。参加者たちへまちづくりへの協力を呼び掛けた。

 27日には、地域内外の建築家や研究者7人が地域に関わるさまざまな研究成果を発表。報告終了後には参加者からコメントや質問が寄せられ、活発に意見が交わされていた。パネル展示コーナーや地域の演奏家らによるミニコンサートなども、多くの来場者でにぎわった。
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製作・著作:南信州新聞社/南信州サイバーニュース