2006年8月7日 >>>戻る

新人村井氏が初当選
県民は県政交代を選択
草の根運動に限界、組織選挙が奏功



勝利をかみしめ万歳をする村井氏(長野市で)

  任期満了(8月31日)に伴う長野県知事選挙は6日投票、即日開票の結果、新人で元衆院議員の村井仁氏(69)が約61万票を獲得、現職で3選を目指した田中康夫氏(50)を7万票余り上回り、初当選を飾った。今回は2期6年続いた田中県政を、有権者がどう判断するのか注目されたが、県民は「県政の交代」を選択した。出遅れた村井氏だったが、現職を代えたいとする政党、政治団体などが従来型の組織選挙を短期間に集中させ、県内全域で万遍なく支持を広げる原動力になった。

 田中県政の「継続か」「交代か」が最大の焦点になった今回の知事選では、交代を望む県内の複数の市民グループが早くから新人の擁立工作を展開した。しかし、相次ぐ失敗で現職に対抗できる有力新人の擁立が困難視されたことも。

 当初、そのもたつきぶりに「知事交代」を叫ぶ県議会をはじめ、一部を除く県内の各政党、政治団体などにも批判が集中、一時は現職を勇気づけた。

 そんな流れの中、田中氏は6月県議会冒頭の主旨説明の中で3選出馬をいち早く表明。その後は対立候補不在のまま選挙態勢づくりを本格化していった。

 一方で、最初に名乗りをあげた若林健太氏を自民党県連が公募して推薦したが、その後に立候補の意志を表した村井仁氏との間で話し合い、最終的に村井氏への一本化が成立。そして、6月末に正式に立候補を表明した。

 出遅れた村井氏は、年齢や知名度不足などをどう克服するか注目された。が、県議会の多数派、自民党県連、公明党県本部、市町村、経済団体や組織などが短期間に結集、組織選挙を展開した。

 これに対し、田中陣営は後援会「しなやかな信州を育む県民の会」を中心に、4年前と同じように草の根選挙で支持拡大運動に努め、下部浸透に全力を傾倒した。

 しかし、前回選挙で支援した共産党県委員会が今回は「自主投票」としたため、運動員(量)も激減し、選挙戦の中盤から「実質支援」を打ち出して支持拡大を図ったものの、村井陣営の追い上げを許す結果になった。

 反対に、村井氏は現県政の手法を批判。「市町村主体の地域づくり」を前面に出し、基礎自治体への権限、財源の移譲を進めるために知事の権力を行使する、と主張。市町村や議会、県民との対話を重視する姿勢を訴え、選挙戦の最終盤に11項目の具体的な政策を発表するなど、真摯に県民に語りかけたこと、それに誠実な人柄などもしだいに浸透していったと見られる。

 今回の選挙で、県民は結果的に「県政の交代」を選択した。が、村井新知事が今後どんな県土づくりを行うのか。2期6年続いた「道半ばの田中改革」の後だけに、その手腕が試される。



新人村井氏が初当選
村井氏「県民の声に謙虚に耳を」
胸を張り「県民に感謝」(田中氏)

製作・著作:南信州新聞社/南信州サイバーニュース