2007年1月13日 >>>戻る
南ア世界遺産へ連絡会
 (仮称)南アルプス世界遺産登録長野県連絡協議会の設立準備会は12日、伊那市役所で開いた。長野県側の中心となるよう山梨、静岡県側から要請された同市が飯田市、富士見町、大鹿村に協力を呼びかけ関係4市町村で長野県連絡協議会を29日に設立することになった。

 設立準備会には、4市町村の長と議長ら19人が出席。飯田市からは熊谷富夫議長、小木曽博人助役ら5人が出席した。牧野光朗市長は南信州広域連合の阿南学園などの視察のため欠席した。冒頭あいさつで伊那市の小坂樫男市長は「南アルプスに関わる面積が一番広い伊那市が音頭を取るよう要請があり、長野県連絡協議会設立の発起人となった。山梨、静岡の連絡協議会と連携して運動していきたい。若林正俊代議士が環境庁長官に就任したチャンスを生かしたい」と結束を呼びかけた。3県の連絡協議会が集まって2月下旬に(仮称)南アルプス世界遺産登録推進協議会を発足させることになっている。
 出席者の自己紹介に続いて、伊那市の担当職員から世界遺産と南アルプスの現状、現在までの経過について説明があった。続いて、長野県連絡協議会の規約や役員、事業、予算、設立趣意書、スケジュールなどについて非公開で協議し、29日に同市役所で開く設立総会に提案することを確認した。

 この後、意見交換を公開で行った中で小坂市長は、自然遺産、文化遺産、複合遺産の3種類ある世界遺産のうち自然遺産一本で南アルプスの世界遺産登録をめざす方針で4市町村が一致したことを明らかにした。飯田市遠山郷には民俗芸能や秋葉街道などが息づいており、南アルプスの自然遺産と文化遺産を合わせた複合遺産をめざすことも考えられた。しかし、日本の世界遺産は自然遺産3件、文化遺産10件で複合遺産はないこと、世界でも830件の世界遺産のうち自然遺産162件、文化遺産644件に対し、複合遺産は24件と少ないことから、南アルプスの複合遺産の見通しは困難と判断。山梨、静岡と足並みをそろえ世界自然遺産をめざすことになった。

 ただ、平成15年5月に環境省が「世界自然遺産候補地に関する検討会」を設置して、今後5年程度の間に新たに世界遺産として推薦できる地域があるかどうかの検討を行った結果、南アルプスはその時点の学術的知見では、推薦することができないという結論となった経緯がある。それから3年余り。3県で今回めざす南アルプス世界自然遺産登録を実現するには、この結論を覆すだけの新たな学術的知見が最大のカギを握る。

 意見交換ではこのほか、小坂市長が「世界遺産に登録されると規制が強くなるのでは。登録エリアを国立公園より広げるかどうかも課題」と指摘。富士見町の矢嶋民雄町長は「入笠山に自生するホテイアツモリソウは貴重な植物。かえって規制を強化した方がいい」と意見を述べた。大鹿村の中川豊村長は「学術調査に地元の人を加えてもらわないと問題が起きる」と発言。小坂市長は「大学の先生とメンバー構成を相談しながらやっていく」とした。矢嶋町長は「南アルプスの湧水の活用も運動の一環としてやってもらいたい」と要望を述べた。


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製作・著作:南信州新聞社/南信州サイバーニュース2007