伝統工芸の職人さんに、ちょっと弟子入りしてみませんか―。飯田市教育委員会は2月から3月にかけて、伝統工芸の職人の指導で作品を制作する講座を開いている。今回は、紬、刺しゅう、曲げ物の職人にそれぞれ6人の小中学生と保護者らが弟子入り。作品づくりを通じて、飯田の伝統工芸に触れている。
地域の伝統工芸や職人の生き様、魂に触れてほしいと願いを込め、地育力向上連携システム推進計画の一環として初めて企画。今回は、いながき紬工房の稲垣昭吾さん、牧島刺しゅう店の牧島隆さん、吾妻屋曲げ物店の小笠原達夫さんが協力。同市教委によると、今後も継続して行う方針だという。
作品づくりが本格的に始まった4日、同市鼎切石にある稲垣さん(76)の工房では、親子らが手機での機織りに挑戦した。草木染めの絹や鮮やかなモヘア素材を使ってストールを制作。稲垣さんと妻の節子さん(76)の指導を受けながら、「踏木(ふみき)」と呼ばれる板を順番に足で踏みながら横糸を通し、注意深く間隔を空けながら織り込んでいた。
「昔話で見たことがあるけど、体験したことがなかったから」と参加した座光寺小学校6年生の壬生花菜さん(12)は、「知識としてはあったけれど、今も職人さんが近くにいるとは知らなかった。ゆったりと織るところが難しい」と話し、真剣な表情で手機に向かっていた。
約20年前から機織り体験を、10年ほど前からは年間約30校の体験旅行を受け入れている稲垣さん。「ものづくりが積み重ねからできていて、作品づくりには忍耐力がいること、苦労して作って完成した時の喜びを体験して感じてほしい。そのお手伝いができれば」と目を細めていた。
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