シリーズ「県議に聞く」〜田中前知事不信任の理由〜

現実的な施策示さず

飯田市区・古田芙士氏(県政会)


 ―約1年9カ月の「田中県政」をどうみるか。

 
古田 県民の目線に近づき、奉仕者としての県機構や情報公開に努めたことは評価できる。しかし、パフォーマンスや理念を繰り返すばかりで、県民の生活を支える最も大切な景気対策には何ら現実的な施策を示さなかった。公共事業の先送り、削減で県経済はさらに厳しい状況に陥った。国や市町村、県職員、県議会を無視した独善的な手法も目立ち、まったく信頼関係を築けなかった。

 ―「ダム問題」の対立が不信任案提出に踏み切った大きな要因と受け止められているが。

 
古田 ダム建設中止に伴う交付税の返還、工事や用地などの補償、新たな治水事業にかかる費用は膨大な額。実現可能な代替案はなく、流域住民の生命、財産を守ろうという意思が感じられない。国が示す河川整備の基本方針とも整合性を欠いている。疑問をぶつけても、理念を繰り返すばかりで話にならなかった。

 このままでは、危機的な状況にある県財政を間違いなく破綻させ、財政再建団体への転落を招く。これを阻止するためにも、議会に耳を傾けず、景気浮揚策のない知事に、これ以上県政を任せるわけにはいかない。(不信任は)大多数の議員が良識に従い、悩み抜いた末の決断だった。

 ―失職という選択について。


 
古田 失職は不信任を認め、継続性が求められる県政を投げ出すという行為。独裁者を許さない民主主義の原則からみても、再出馬は理解できない。

 
―前知事を支持する声も強いが。

 
古田 マスコミを上手く利用しながら、受けのよい言葉でパフォーマンスを繰り返し、知事権限を過大にアピールしてきたため。唐突な“思いつき”に振り回され続けた議会、県庁の現実を伝えきれていなかったことは反省したい。

 
―有権者の反応は。

 
古田 会合があるたびに足を運び、不信任の経緯を説明している。しっかりと話せば、決断の重みを理解してくれる。

 ―県政会として、知事選にどう対応するのか。求める知事像は。

 
古田 不信任案を可決した議会の責任においても、真の民主主義を理解してくれる候補者を全力あげて応援する。行政のチェック機関である議会を無視する独裁者はいらない。多くの新人候補が名乗りをあげているのは、現実を見きわめようとする県民の意思があるからだと信じている。




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