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犬と話せば 以心犬心 最新刊

 A5判 170ページ 定価1500円(税込み)

林 直幸 著 南信州新聞社出版局刊行


『犬と話せば 以心犬心』のこころ
 上飯田の林さん、犬の目線で世の中を切る…

 飯田市上飯田の林直幸さんがこのほど『犬と話せば 以心犬心』(南信州新聞社刊)を出版した。林さんは「あとがき」にこのように書いている。
「最近は犬猫を題材にした本やドラマ、映画等のビジネスが話題になっています。/国際紛争、環境問題、身近なところでは、家族の絆や対人関係等で人の心が荒んでいます。犬や猫に、やすらぎや癒(いや)しを求めるのも首肯(うなず)けるというもの。/かくいう私も例外ではありませんが、犬猫に依らなければならない社会も正常ではありません。/自分の思いや考えを、愛犬に代弁させただけのことですから、私自身、現代社会からの逃亡者なんです」。
 作品は、林さんの愛犬ベルの見た飼い主即ち林さんやその家族、また一家の生活を中心にベルの独白体で描かれている。『吾輩は猫である』の苦沙弥先生を引き合いに出すまでもなく、こうした社会諷刺とパロディーの観察の鉾先(ほこさき)は実は身近な飼い主に向かう。即ち愛犬ベルの観察の対象は林さん、その人だ。団塊の世代の元国鉄マンで早期退職に応じた林さんの観察・批判がそのまま社会諷刺に繋がってくる。その意味で「現代社会からの逃亡者」である著者にとってかなり自虐的な本だといえる。林さんには、前作にドロップアウトした息子の更正を描いた『一球痛恨の譜』(南信州新聞社・品切)がある。
 本書は四六判170ページ、定価1500円(税込)、お求めは最寄りの書店か、南信州新聞社、または電話24・9897の林さんまで。(嶋)