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『柿の文化誌』-柿物語新刊
著編者・岡田勉
B5判266頁、3000円


 飯田市上郷飯沼の岡田勉さん(63歳)がこのほど『柿の文化誌・柿物語・』を出版、話題になっている。

 岡田さんは長野県立農業講習所を卒業の後、長野県職員として県下の農業改良所や同センターに勤務、普及員として指導にあたった。その活動の中で、柿について栽培技術や食品加工、また「材」としての利用、あるいは染色等に関するそれぞれの専門書はあるものの、日本人の生活に広汎に行き渡った柿の全体像を伝える本がないこと、柿がきわめて日本的文化を象徴することに思い至った。以来コツコツと資料を集め、先年定年退職したのを機に一書にまとめることを計画。昨年の秋から半年がかりで編集、このほどようやく出版になったっもの。

 第一章の柿の植物学的分類・分布に始まり、世界中の柿の種類・利用方法から伊那谷の柿。第二章では柿の実(果実)の利用、第三章では柿渋の利用、第四章では用材としての利用、第五章の「柿と生活」では民俗的な柿にまつわる祭りや地名、労働歌の採集など、豊富な事例と図版・写真を上げて紹介している。折々、語られる著者の体験談も読ませるものがある。また、各章にはそれぞれカラーの資料写真があり、専門的になりがちな既述の読解を助けている。

 本書はB5判上製266ページ、題字は高田墨山さん、装幀は片桐美登さんがそれぞれ担当。非売品としてつくったが、求めがあってJA機関支所、下伊那園芸協同組合及び各書店、南信州新聞社でも本体価格3000円で扱うことにした。(嶋)