>>>戻る
恋しきかな、ありがたきかな故郷新刊
46判上製本264ページ 本体価格 本体価格1800円
初代ふるさと大使吉川紀彦さんの遺作

東京都小平市在住の吉川紀彦(みちひこ)さんがこのほど『恋しきかな、ありがたきかな故郷』を出版した。

 吉川さんは飯田市竜丘出身。出版社を定年退職後、1996年(平成8年)12月から99年まで、初代「信州飯田ふるさと大使」を務めた。新宿の「大使館」を拠点に、ふるさとのPR活動をするとともに、各地域に分かれたふるさと会の横のつながりとなる「信州飯田ふるさと会連合会」の立ち上げに尽力。また大使に就任以来、南信州紙に「ふるさと偏愛通信」と題するコラムを掲載し、その活動を伝えてくれた。しかし、89年食道癌で手術、翌99年口腔歯肉癌、さらには昨年02年には食道癌再発と、後半生の生き甲斐を見つけた途端に闘病生活を余儀なくされた。現在はホスピスで、モルヒネ注射を打ちながら痛みと闘う毎日。

 そんな闘病の中で、自身のふるさと大使としての活動を記録にとどめようと、この春から、書きためた原稿を整理・編集、今回の出版となった。構成は、「ふるさと大使」への序曲、ふるさと大使は人間交差点、頑張れ!市田柿・天竜峡、伊那谷の愉快な仲間たち、の4章45篇からなる。いずれも、ふるさととそこに暮らす人々への思い入れたっぷりの文章。盟友の塩澤実信さんが序文を寄せ、郷土の写真家・宮島功さんの写真が表紙を飾っている。

「故郷。ふるさと──。/じつに得もいわれぬ響きである。かつて、歳五十を数えるに至った頃、ふつふつと里心が湧いてきたのが発端であった」と著者は「あとがき」を書き出している。死の床にあってなお故郷に思いを馳せることのできる人は、ある意味、実に、幸せな人というべきか。

 本書は46判上製本264頁、本体価格1800円。