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 探史の足あと 残部僅少

 菊判220ページ 定価2000円(本体価格)
 原 隆夫

 阿智村の原隆夫さん(80歳)がこのほど『探史の足あと』を出版し、話題になっている。
 原さんは印刷業を営むかたわら、村の教育委員や文化財委員・村誌編纂委員を務めるほか、短歌会を主宰するなど村の文化と歴史を記録にとどめる活動に携わってきた。なかでも昭和47年に創刊された阿智史学会の機関誌『郷土史巡礼』はB6判の小冊子であるが、会員数200名余を擁し320号を数える。ひとつの村の誌史としては全国的にみても稀有なものであろう。
 今回出版された『探史の足あと』は、その『郷土史巡礼』の扉写真(図版)とその解説を1冊にまとめたもの。第一章の「阿智の神々」にはじまり「東山道と古代遺跡」「寺と堂庵」「供養塔と筆塚・文学碑」「石神・石仏・石造物」「検地帳と領主」「江戸時代のくらし」「名木と名跡」「書画の今昔」「明治このかた」の第10章にいたる170点余の目配りには地域に住む者にしかできない粘りと愛着の眼差しが感じられる。写真や図版は今回の出版にあたって撮り直したものや差し替えたものもあり、カラーが豊富に使われている。また会員の1人である熊谷元一さんが序と各章の扉のカットを寄せている。
 本書は菊判220頁、索引付き。もともと阿智史学会の第九回知久伊那谷文化賞受賞(平成9年)を記念して少部数の私家版として計画されたが、公益性を考慮し南信州新聞社出版局から出版の形態をとった。(嶋)