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20世紀・地域史に貢献した人々 最新刊

B5判並製本92頁、頒価1300円(税込み)

南信州文化財の会編 南信州新聞社出版局刊行


地域に愛情と誇りを

南信州文化財の会編『20世紀・地域史に貢献した人々』刊行

 2005年10月から08年3月まで83回にわたって本紙「南信州」に連載され、好評を得たコラム「20世紀・地域史に貢献した人々」がこのほど1冊にまとまり、南信州文化財の会(吉澤健会長)から刊行された。
 南信州文化財の会では、その前身であった飯田文化財の会として、1972年に63人の物故者の業績を紹介した『伊那谷郷土史家略伝』を刊行しており、今回の『20世紀・地域史に貢献した人々』はその続編ともいえるもので、この継続的取り組みは文化財の会ならではのものだ。
 文化財の会の事務局・会長をあしかけ19年間務め、このほど会長を退いた今村眞直さんは本書「発刊に際して」の中で、「地域史の研究活動は、その地域に生き、その地域に愛情と誇り心を抱く、その地域の人々こそが担って行くべき、「温故知新」の尊い活動。私は、このことを「民自主の伝統活動」と申しています。/遺憾なことに、南信州を代表する大自治体の飯田市では、県下すべての(近年合併二市除く)各市に「市史」が刊行されているのに、今もって編纂に至っていないのです。/未刊の市史づくりは、本書掲載の故人研究者皆様も期待されていることと思われ、「文化経済自立都市」を標榜される当市の文教施策に一言付記させて頂きました」と述べている。長年にわたって郷土史とともに歩いてきた今村さんの執念ともいうべき一言、肝に刻みたいものだ。
 昨今は情報公開が叫ばれる一方で、個人情報の保護が声高にいわれ、以前より記録の記載難しい。そのぶん情報が覆い隠され、消え去る危険性が増してきたように感じる。プライバシーの保護には細心の注意を払わねばならないのは最もだが、こうした地域情報は詳細に知りたいし、もっと大切にしたいと思うのは筆者ばかりではあるまい。
 先学の試みを座右にもう一度、地域に(で)生きることを考える切っ掛けにしてほしい1冊だ。
 本書はB5判92頁、頒価1300円。本書についてのお問い合わせは、南信州文化財の会事務局(電話23・8101の岡田さん)、お求めは、会員、南信州新聞社、または各書店まで。(嶋)